豆知識


ソリハシシギの豆知識

全長23pの小型のシギで動きが速く、クチバシが上に反り上がっている。すばやくカニ・小魚・貝・昆虫などのエサをすくい上げるようについばむ。

学名の属名はよそもの(長距離の渡りをする)の意味、小属名は灰色の渡り鳥Xenus(よそもの)cinereus「灰色の渡り鳥」ソリハシシギは、オーストラリア、東南アジア、アフリカで越冬しユーラシア大陸北部の湿地で繁殖する。

鳴き声は「ピッピッピッ」「ピリッピリッピリッ」古い図鑑などでは10羽ぐらいの小群れで見られ、数の多くない鳥と記述があるが「藤前干潟」では春と秋で秋に多く観察出来る。1996年(平成8年)8/31 72羽、97年(平成9年)8/16 238羽、2005年(平成17年)8/21 149羽記録している。残暑の干潟を元気に走り回るシギである。  (森井)

       

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オバシギの豆知識

春秋の旅鳥、オーストラリア・ニュージーランド方面から日本を経由し、シベリアの北東部ツンドラ地帯の繁殖地へ渡り、秋には繁殖を終え又日本を経由し南へ渡っていきます。

韓国のセマングムの広大な干潟(3万ha以上)では数万羽の群れが観察されています。藤前干潟の環境省、管理人を努める梅村氏の報告は驚きと共に、干潟の全面埋め立てが進められている事への憤りと悲しみに満ちています。

オバシギは、全長28cm、翼開長57cm、エサは貝類・ゴカイ・甲殻類、を食べ、藤前干潟では毎年、8月9月に数10羽は渡来しますが、何年かに1度100〜150羽が訪れる事が在ります。平成15年は240羽を記録し、この年は三重県の干潟でも数が多く、春よりも秋の渡り時期に飛来数が多く観察できます。藤前干潟の今年の秋の渡りは9月17日63羽・18日41羽、確認されています。  (森井)

         

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アオアシシギの豆知識

アオアシシギ(青足鴫、学名Tringa nebularia

体長30cm~35cmで、ユーラシア大陸北部で繁殖しアフリカ、東南アジア、オーストラリアで越冬します。

旅鳥として干潟や、水田・池・沼等の湿地を訪れる。春より秋の方が数の多いシギで8月〜10月に多いときは、100羽を超える数が藤前干潟を訪れます。

彩りよい小鳥たちとは違った日本画に似合う柔らかな体色。パステルカラーの風景の中にいる淡い水色のアオアシシギ。隠れファンの多い鳥です。

藤前干潟・庄内川河口では干潟上流部、庄内川左岸(23号線・庄内新川橋下流部)でよく見られ、例年11月迄観察できます。 (森井)


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ミサゴの豆知識

ミサゴ タカ目タカ科 (学名Pandion haliaetus

全長 ♂54cm ♀64cm 翼開長 ♂160cm ♀175cm 魚を主に補食するタカで、市内の河川では1989年〜1990年3月迄の1年間記録が無かった。2000年、秋になると10〜15羽が観察されるようになった。

2006年10月26日()には過去最高の19羽を記録した。この日は次々と大きなボラを捕らえ、良く留まる流木に6羽が一度に留まって獲物を食べていた。争うことの少ない猛禽類である。最近の藤前干潟では秋・冬だけでなく、夏季(1〜3羽)も含め年間を通し観られるようになった。

大きな猛禽類に似合わない可愛らしい「ピヨ ピヨー」と聞こえる声で鳴く。

空中をゆっくり飛びながら水面近くの魚を見つけると急降下し足を突き出して、水中に飛び込み、大きな魚をしっかりと掴み捕る。ミサゴは水面下の見つけづらい魚も変更フィルターの役目を果たす透き通った瞬膜を通して光の屈折を変えて見通し、滑り留めの付いたようなザラザラした足指の裏側と鋭い突起状の部分、鋭い爪で動き回る魚を掴む。

ダイナミックなダイビングは

見応えがある。

    

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ハマシギの豆知識

ハマシギ チドリ目シギ科 (学名Calidris alpina

藤前干潟で秋から冬場にかけ観察される代表的なシギの仲間です。6月〜8月繁殖地アラスカに向かった跡の干潟はハマシギが居なく寂しい物があります。 
秋、待ち遠しい第一陣の飛来に観察者は目を輝かせ、ハマシギの群れ全体が一斉に飛び立ち旋回を繰り返すと瞬時に変わる濃淡の群れの帯に、美しさは言い尽くせない物があります。                                       
 




                             

  

報告


オナガガモの豆知識

カモ目 カモ科 マガモ属 (学名Anas acuta

    ♂51〜76p ♀51〜57p 人に慣れやすくユリカモメと共に餌を貰いに来ます。

オナガガモは首の長いスマートなカモです。特に細長いオスの尾は良く目立ち、英名Northern Pintailの名が示す通りです。このオスも、繁殖を終え秋に飛来したときにはメスの体色に似ていて特徴のあるピンテールも無く、わずかにくちばしの色と翼のパターンでオスであると分かります。

   
  オナガガモ オス                オナガガモ メス  

越夏するわずかな個体を除けば、9月頃から少数が姿を見せ始めます。

観察館のある藤前干潟の一斉調査では今年度平成18年(2006年)10月22日 ,579羽、11月4日1,529羽を記録していて、平成8年(1996年)11月10日には6,818羽の渡来を記録しています。

北米では600万羽に及ぶ数の多いカモであると言われていますが、藤前干潟への飛来数は大きく減少しているのは事実です。  森井

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ヒドリガモの豆知識

カモ目 カモ科 ヒドリガモ(学名Anas penelope

ユーラシア大陸に広く分布。北アメリカにはアメリカヒドリが生息し日本では、渡りのルートから離れているため、希に飛来して越冬する個体もいる両種の交雑個体も観察されている。

植物食の小型のカモで、藻類、海藻、陸上で各種の青草を食べる。

今年の藤前干潟では例年になく渡来数が少ないが、岸壁、テトラなどで藻類を剥ぎ取るように食べる。人気のない時には稲永公園内に上がり、青草を盛んに食べている。雑草から海苔までエサの幅は広い、夜は陸上で捕食する事が多く食害の被害が報告されている。

♂は「ピューピュー」と笛のような良い声で鳴く。


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